シマノフラッグシップのステラSWが2025年5月に更なる進化を経て登場。10,000番ではPGとHG、14,000番ではXGが登場します。
どのように進化したのか見ていきましょう。
コンセプトムービー
進化した5つのポイント
25ステラSWではドラグ性能やギア性能などが進化を遂げました。今回の進化で注目すべき5つのポイントを見ていきましょう。
ドラグ性能
ドラグ耐久性がさらなる進化を遂げる。猛烈な走りを受け止める各ドラグパーツには金属と摩耗に強いステラSW専用カーボンワッシャを採用。従来までの下部に配置されたドラグワッシャに加え、上部にもスプール構造を進化させたことで、大型ワッシャが搭載可能になった。この進化によりドラグの耐久性が向上。
ドラグ構造の進化と、搭載されたヒートシンクドラグの相乗効果で、熱によるドラグ力の低下を従来モデルと比較して約30%低減することにも成功した。
密巻システム
SW専用に徹底的に考え抜かれたオシュレーションシステム。ラインを整然と緻密に巻き付けていくことにより飛距離・キャストフィーリング・ドラグのスムーズさを向上させるテクノロジー。特筆すべきフォーカスポイントは3つ。そのひとつ目はSW機種に最適な糸巻きピッチの設定。今回のモデルは従来モデルの半分程度までピッチを狭めた密巻き化。抜けるようなキャストフィールをもたらすとともにライントラブルを徹底的に抑制している。また、ドラグ作動時にも密巻き化によりラインの上下回数が抑えられスムーズな送り出しを可能にする。
2つ目はスプールに巻き込まれる糸巻き形状の改善。ウォームシャフトのターン角度を見直すことで、スプールの上下両端に起こりがちなふくらみをよりフラットな糸巻き形状を作り出すことで、ドラグやライン放出時の抵抗が減少するとともに、トラブルも低減している。
そして3つ目は、スプールの往復時で糸巻きピッチが変わる2スピードオシュレーションシステム。ラインがスプールリング側からスカート側(下方向)に放出される向きでは細かいピッチで巻かれた糸が放出抵抗の低減&飛距離アップを図り、逆方向では粗く巻かれた糸が高ドラグ時のラインの食い込みを防止。SW機種として考え抜かれた機構がライン放出性能のさらなる向上とトラブルレスをもたらす。
インフィニティループ専用紹介ページは《こちら》
動画紹介
ギア強度・耐久性
SWの心臓部、ギア強度・耐久性が向上。ギア歯面の設計・製造技術の進歩により、ドライブギアとピニオンギアの噛み合う接地面積を拡大するインフィニティクロス。ギア歯面にかかる負荷を分散することで、ダメージの集中による損傷を防ぎ、耐久性が向上する。NEWステラSWはこの歯幅を従来モデルとの比較で約1.3倍にアップ。より高負荷の巻き上げまでスムーズなギアフィーリングが維持可能となった。
スプール
不快なライントラブルを抑制。ラインローラー部に近接するようにフィンを設置してラインのたるみを抑えることで、スプールスカート部への糸落ちを低減。フィンには弾性体を使用することで、ノット部を巻き込む際のダメージも防止。従来通り隙間を作るフィンBも付属。
スプールリングを特殊な形状にすることでラインの整流効果を生み、ライントラブルの抑制と遠投性能の向上に寄与するAR-Cスプール。25ステラSWにはスプールリングカラーをラインが乗りにくい形状へと改善した新形状AR-Cを搭載してライントラブルの起因となるスプールへの糸またぎを軽減。
また、SWゲームでは過酷な状況下でスプールリングに想像以上の負荷が掛かる。スプールリング表面には強力な耐摩耗処理のバリアコートを施し、耐久性もさらに向上。ラインへのダメージも軽減、傷つきづらく滑らかな表面状態をより長く保つことができる。
防水
鉄壁の防水構造。SWゲームにおいて脅威となるのが海水の侵入。リール内部に入り込んだ海水は金属パーツを蝕み、初期性能を著しく低下させてしまう。ステラSWはボディ・ドラグノブ・ラインローラーをはじめ、随所にシーリングを施すことで水の侵入経路を遮断。特にボディ、ストッパー部は防水性能を評価する規格でIPX8を達成。過酷な条件下で繰り広げられるSWゲームにおいて高い信頼性と耐久性をもたらす。
また、新たに防水構造の見直しを行うことで防水性能は維持しながらも、さらに軽い回転性能を実現。高い防水性能とシルキーな回転という相反する要素を実現している。
ドラグノブ
新設計ドラグノブでさらなる操作性の向上。各パーツのディテールをブラッシュアップしたステラSWは、操作性をいっそう高めるためドラグノブを約25%大径化。瞬時の操作においてノブに手がかかりやすくなるだけでなく、細かな微調整にも対応しやすくなっている。大物がかかったときの瞬間的なドラグを締める・緩める動作にアドバンテージをもたらす。
他にも色々な性能がありますので気になる方はこちらをどうぞ《公式ページ》
スペック表
品番
品番 | ギア比 | 最大ドラグ力(Kg) | 自重(g) | スプール 径(mm)/ストローク(mm) | 糸巻量ナイロン(号-m) | 糸巻量ナイロン(mm-m) | 糸巻量PE(号-m) | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | ハンドル長さ(mm) | ベアリング数BB/ローラ― | 夢屋ハンドルタイプ | 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10000PG | 4.8 | 25 | 680 | 66/22 | 6-300, 8-210, 10-160 | 0.405-300, 0.47-210, 0.52-160 | 4-400, 5-300, 6-250 | 99 | 80 | 12/1 | H-4 | 160,000円 |
10000HG | 5.6 | 25 | 680 | 66/22 | 6-300, 8-210, 10-160 | 0.405-300, 0.47-210, 0.52-160 | 4-400, 5-300, 6-250 | 116 | 80 | 12/1 | H-4 | 160,000円 |
14000XG | 6.2 | 25 | 685 | 68.6/22 | 10-195, 12-155, 14-140 | 0.405-330, 0.47-240, 0.52-195 | 5-360, 6-300, 8-220 | 134 | 80 | 12/1 | H-4 | 160,000円 |
予約状況
現在予約受付中となっており楽天市場では10000PG・10000HG・14000XG全て140,800円で受け付けています。
IMPRESSION
とにかくすごいリール、というのが使ってみた印象ですね。率直に言って、僕の評価では従来モデルもほぼ完成形と言えるレベルだったので、それがさらに完成に近づいたという感じかな。その意味ではこれまでのステラSWとまったく変わらないですよね。どこがどう変わったというより、全体的に良くなっている。ただ間違いなく言えるのはドラグの進化。XXタフドラグになって上下から大型ワッシャーで押さえられるので、ドラグの性能は格段に上がっている。ドラグノブも大きくなってつまみやすいし、操作もしやすくなってるよね。あとはインフィニティループが入ってキャスト性能が上がっています。巻きのピッチが以前より密になって、しかも密巻・綾巻・密巻と交互に巻き取る形式だからトラブルもなく、ルアーが気持ちよく飛んでいく。さっきも言ったように僕自身はまだ限界まで試しきったわけではありませんが、テストした範囲では予想以上の仕上がりになっている。完成形のステラSWにさらに改良が加わっているんだから当然なんだけど、よくないところを探すほうが難しいですよ。
ステラSWに関しては今回3つの注目ポイントがあります。ひとつはXXタフドラグ。いままでのSWは下側にのみ大型のワッシャーが入っていたんですが、今度は上側にも入って前後でサンドイッチする形。そのためドラグの耐久力はこれまで以上に上がっています。大物とのやり取りにも安心感が増していますね。テストでもドラグを出される場面は何度もありましたが、いままでと比べると耐久性含めて明らかに性能は上がっていると感じました。大物狙い、とくにドラグを出される釣りほどその違いを実感できるんじゃないですか。テストでは14000番を使い50kgクラスのキハダも掛けましたが、今後はさらにタフな状況でより大きな魚を掛けて、いま以上に真価を実感できると確信しています。二つ目はインフィニティループ。これが搭載されたことでラインがより緻密に巻き込まれるようになって、飛距離も出るし、キャスト時のバタツキ感もかなり軽減されています。実際の飛距離もさることながら、ラインが引っ掛からず気持ちよく放出されていくため、キャストフィールからして飛んでいると実感できますね。密巻はきっちり平行に巻くほど大型がヒットしたときにラインが喰い込みやすくなるリスクもありますが、今回のステラSWは2スピードオシュレートシステムにすることで完全な平行ではなく、絶妙なピッチに設定しています。要はキャスト時もスムーズにラインを放出できて、ドラグも滑らかに作動するということ。動き始めからどこも引っ掛からず、スムーズに作動してくれます。実はインフィニティループをSWに搭載するにあたっては、糸巻のピッチを何パターンも試して最適な答えを探したんですが、テストでは30~40kgのキハダを取り込んだ次のキャストでも全然喰い込みませんでした。あとはアンチツイストフィン。ラインがスプールスカートの部分に巻かれてしまうトラブルを防ぐためのパーツですが、このフィンを付けることで巻き取ったラインがしっかりスプールに収まるようになります。自分のようにロングリーダーを組んで、リーダーをスプールに巻き込む場合には糸落ちのトラブルが多かったのですが、このフィンがしっかり解消してくれています。
フィールドテストでは大型のヒラマサとファイトする機会に恵まれて、細部までいろいろ確認することができました。そのなかでまず感じたのが、ステラ伝統の巻きの軽さと力強さです。ここはかなり際立っていますね。私は主に14000XGをテストしてきましたが、巻いた感じはXGに感じないくらい軽くて、HGに近い印象です。ギアの剛性感がさらに向上したことが巻きの軽さにつながっているんでしょうね。普通に巻いているときはもちろんですが、それを一番実感するのは魚を掛けてポンピングしているとき。すごく繊細に、緻密に造られたリールでありながら、いざ大型の魚が掛かっても一歩も引かない強さ・安心感があります。この信頼感はやはりステラSWだなと。それからインフィニティループを搭載して、平行巻きがものすごく進化していることにも驚かされました。狭いピッチで整然と巻かれているため、ラインの放出がすごく滑らか。リールを見ていなくても、音を聞いているだけできれいに飛んで行っているのがわかるほどです。しかも、高負荷のドラグを掛けたときにラインが喰い込んでしまうトラブルを防ぐため、スプールが下がるときにはピッチを細かく、上がるときには粗く巻かれる2スピードオシュレーションシステムを採用しています。これは革命的な巻きの進化。キャスト時のライン放出と高負荷時のドラグ対策、どちらにも対応するという、普通は思いつきもしないようなことをやり切るんだなと感動しました。今回のテストでもPE8号で13kgくらいのドラグを掛けていて、おそらくファイト時にはもっと負荷が掛かっていたと思いますが、ラインが喰い込むことは一度もありませんでした。細かいところではドラグノブのつまみやすさも向上していますね。私はファイト中にドラグを調整することがけっこうあるんですが、その際にも操作性は確実に上がっていると感じました。それにしても、もうこれ以上進化しなくてもいいと思っていたリールにまだこんなに進化する余地があって、しかもそれが実感できるレベルであることには毎回驚かされますね。
いかがでしたでしょうか。最近は体の不調とともに10,000番を超えるような大型番手を使う機会がめっきりと減りましたが機会があれば使ってみたい機種です。
それでは本日も皆様の爆釣と安全釣行をお祈り申し上げます。
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